※志成ボクシングジム所属
アマチュア13冠という実績を引っ提げ
プロ3戦目・国内最速でのOPBF東洋太平洋王座を獲得した堤選手。
今回、株式会社シェアはそんな堤選手にインタビューをいたしました。
今回、初めてのタイトルマッチということで、自分自身、多少緊張はしていたのですが、内容も明確な勝ち方でベルトを獲ることができ、素直にホッとしました。2ラウンド目・3ラウンド目くらいで、相手選手の動きをだいぶ見切れるようになってきて、一発の大きいパンチをもらわなければ、そういうふうに試合を進めていければ、「勝てるな」というのは感じていました。
ボクシングを始めた頃から『まずはプロで世界チャンピオンになること』が目標であり、夢でした。それはオリンピックを目指している中でも変わらず、自分の夢はプロで世界チャンピオンになることでした。そのタイミングをいつにしようかと迷っていた時に、東京オリンピックは自分の中でひとつの区切りにして、そこからプロの世界で自分の目標に向かってやっていこうというのは決めていましたね。
アマチュアの時は、自分の試合をお金を払って観に来てくださるというのはありませんでした。でもプロになったら、皆さんチケットを買って、お金を払って観に来てくださる――。そこで負ける姿は見せられないなと思っています。アマチュアの時は『自分のため』に戦っていたんですが、プロになってからは『観に来てくださるお客様のために』『お客様を悲しませないように』という想いを常に持って試合に挑むようにしています。
今まで行けなかったアメリカへの遠征などがたくさん増えました。プロボクシングは今、アメリカが一番発展しているので、その中で色んな技術を吸収できる環境になったなというのが、より身近に感じます。食生活は、アマチュアの時はあまり気にしてはなかったかもしれません(笑)。
ただ、今は以前より筋肉系のトレーニングなどが増えているので、それが身体づくりに貢献できているのかもしれません。朝は日によって走ったりとか、お昼からジムに来て練習して午後に筋トレをしたりだとか。自分のコンディションを考えながら、たとえば暑い日に走っても中々自分のパフォーマンスを発揮できなかったりするので、気温が落ち着いてきたタイミングで力を発揮して頑張る方がいいかなと。体調管理の面でも、その方がいいかなと思っています。
『失敗をどう活かして、次につなげるか』ということかなと思います。試合を振り返って、たとえば「パンチをもらってしまった原因は何なのか」と根本的なことを考えます。それが分からないと「次に何していいか分からない」となってしまいます。負けた原因を突き詰めて、改善していくということが重要かなと思っています。
でも試合の時の記憶がないんです(笑)。リングへ上がる前の入場は覚えていたりするんですけど、リングに上がってからのことはほとんど覚えてなくて。多分、試合で興奮しているんでしょうね。だから映像で観返して、反省会をしています。
プロを目指すタイミングもそうですし、思うように試合に勝てなかったりした時もあります。けれど『ボクシングを辞める』という選択肢はなくて。ボクシングだけは自分の納得がいくまでやろうと考えていたので。挫けそうになっても、『辞める』というより『より強くなるためにはどうすればいいのか』ということを考えていました。「挫けている場合じゃないな」といつも思ってましたね。
僕が行っているのは格闘技ですが、才能が昔からあったわけではなく。でもボクシングというひとつのことを諦めずにやり続けたから、ここまで来ることができたと思っています。『諦めずに挑戦し続ける』ということは、自分の中でいつも大切にしていることでもあります。挑戦しないと結果が得られないし、それが『成功』か『失敗』かも見えてこない。何事にも挑戦して頑張って欲しいですね。
ボクシングは個人スポーツだと思われがちですが、そうじゃない側面もあります。ジムの仲間や、相手選手のトレーナーさんとの関わり。試合の日はみんなで応援して、サポートし合う。皆さん、チームのことを想っておられます。
そういった側面もボクシングの魅力であり、やっぱり選手のためにもなる。サポートがあり、お客様の声援があり、それに応えていくために自分も頑張ろうと思える。いい組織だなと感じています。